夫婦円満の意味がある鰹節

夫婦円満の象徴で、縁起の良い「当て字」も多い

鰹節は、鰹の半身を上下に切り分けて作られています。この半身の上半分を「雄節」と呼び、下半分を「雌節」と呼びますが、この雄節と雌節を合わせるとひとつになることから「夫婦円満」の象徴とされています。そのため、いつまでも一緒にいられますように、という願いを込めて、結婚式の引き出物に贈られるようになりました。また、鰹節には縁起が良いとされる当て字も多く存在します。代表的な「勝男武士」は、「勝ち運」や「男性の強さ」を連想させる縁起の良い言葉とされています。他にも、その断面が松の年輪に似ていることから「末永く続く幸せ」を意味して「松魚節」、とても堅い食品なので「夫婦の絆を固く」する意味を込めて「堅魚節」など、夫婦関係に縁起の良い引き出物として人気となっています。

日々の料理に使いやすく栄養も豊富

鰹節は、さまざまな料理に活用できます。和食の出汁はもちろん、洋食や中華料理にも幅広く使えるなど、貰ってうれしい実用的な引き出物として人気です。更に、鰹節は豊富な栄養素を含んでいる食品です。良質なタンパク質やビタミン、ミネラルが豊富で、特に体内では作ることができない「必須アミノ酸」の全9種類を全て含んでいます。このように、長期保存が可能で老若男女問わずどの家庭でも使いやすい鰹節は、古来から結婚式の引き出物として選ばれています。ただ、近年では専用の削り器を持っている家庭が少なくなったため、1本そのままの状態で貰っても扱いに困ってしまうこともあります。そのため、最近ではあらかじめ削って小分けにした「削り節」を引き出物にするケースも増えています。