「おめでたい」という言葉を連想させる鯛茶漬け

夫婦の門出を祝う場に相応しい縁起物

結婚式で出されるコース料理に鯛茶漬けを含める式場は少なくありません。華やかな挙式の場に素朴な茶漬けは不釣り合いに見えますが、鯛の茶漬けは古くから縁起物として扱われているのも事実です。日本では語呂合わせや洒落で縁起の良し悪しを示す事例が多く、鯛茶漬けもそのひとつです。鯛は『おめでたい』に通じるので、出世や子供の誕生などを祝福する場で振る舞われていました。結婚式も男女が夫婦になり、新たな生活の門出を祝う場なので鯛茶漬けが好まれています。また、茶漬けはさっぱりとした口当たりなので、油や香辛料を使った料理で強い刺激を受けた口や舌を労るのに最適なのも事実です。縁起物の鯛茶漬けはコース料理の締めにも相応しい一品と言えます。

薄めの味付けが無難だが注意点もある

鯛茶漬けを結婚式で出す場合、味付けは薄めにするのが無難です。結婚式でのコース料理は濃いめの味付けが多く、刺激が強い傾向にあります。そのため、参列者への配慮として薄めの味にするのが最善と言えるでしょう。一方で地域によっては香辛料を入れ、刺激の強い味付けにする所もあります。茶漬けを締めで出さないコース料理に見られる傾向なので事前の確認は欠かせません。また、料理の品目が多いと味付けも濃くなりやすいと言われていますが、これは満腹になっても刺激が強い風味なら食が進みやすくなることに関係しています。出された料理を残さず食べてもらうため、やや濃いめの味付けになるのは珍しいことではありません。

鯛の風味を損なわず、それでいて食が進む程度の刺激を加える工夫が求められます。